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その日の夕方、他の社員と挨拶回りから帰ってきたB課長に、私は「ちょっと話があるんですが・・・。」 と声をかけ、隣の応接室に2人で入りました。


「なんだ、あらたまって・・・。」 怪訝そうな顔をする課長に、私は尋ねます。


「課長・・・先月パー券の話があった時に、今年度分の交際費使い切ったっておっしゃいましたョネ?」


「あぁ、その通りだョ。」


「じゃあ、昨日の香典・・・なんで交際費処理できるんですか?」


途端にB課長の顔色がサッと変わりました。

「なんでオマエがそんなことを知ってるんだ!」


「そんなことはどうでもいいでしょう。 私が聞いているのは、なんで課長自身が使い切ったはずの交際費を請求できるのか、って事ですョ!」


B課長は暫し沈黙のあと、こう言いました。


「オマエ、上司たる私を恫喝するのか?」


呆れた私は、こう言い返しました。


「恫喝するとかしないとかじゃないでしょ、問題は。


貴方は部下に大金を立て替えさせておきながら、自分はしっかり1万円を使い切ったと言った交際費ですぐに処理をしようとした・・・そんな上司に、部下がついていくと思っているんですか?


ふざけるんじゃねぇヨ!」怒


私は怒りと情けなさで思わず捨て台詞を吐くと、目の前にあった応接セットの机を足で蹴って応接室を出ました。

(一般的にはこれを恫喝というんでしたっけ? こういう暴言を上司に吐く人間は、所詮サラリーマンには向きません。 実際脱サラしましたし・・・。)

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デスクに戻ると、居合わせた同僚達は知らん振り。

でも、あれだけ大声でやり合ってましたから、彼らには全部聞こえてたはず。


5分程して応接室から出てきたB課長は、黙って自分の席へ・・・私は完全に無視してたんですが、暫くして彼が声をかけてきたのです。


「あの・・・ナベさんさぁ。」


今まで 「渡辺」 とか 「オマエ」 呼ばわりしていた上司が、突然ねこなで声で 「さん」 付けに変わるとは。 

この日を境に、B課長が私を呼び捨てることはありませんでした。

(嗚呼、ダメだこの人は。) 

もうこの上司のために仕事しようなんて気は、全く起きなかった私。うー

しかし幸い(?)にも、(この一件が原因かどうかは知りませんが) B課長には翌月末に人事異動が発令され、3月一杯で転勤することに。


えっ、例の立て替え分はどうしたのかって?


3月末でいなくなる人に、交際費の持ち越しなんてさせるワケがありません。

「立つ鳥後を濁さずっていいますょネ」 と、有無を言わさずB課長からしっかり回収させてもらいましたョ。

・・・あっ、決して恐喝したわけではありませんので、念のため。あせあせ

もっとも、その金を彼がどう工面したのかは、知ったこっちゃありませんが。


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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10940875146.html?frm=themeより引用させて頂いております。