人間国宝

それまで日本の伝統芸能にはあまり(というよりも殆ど)関心がなかった私が、〝文楽〟に興味を持つキッカケになったのは、一本のテレビ番組でした。

それは今から8年前に放送された 『人間国宝ふたり』 というNHK特集。

当時82歳の人形遣い・吉田玉男さんと、76歳の語り手・竹本住太夫さんの人間国宝2人にスポットをあてたルポルタージュだったのですが、ご高齢(失礼)にもかかわらず現役で舞台に上がり続ける元気の源は何なのか?・・・興味があって観たのです。

40代の中堅語り手に、「ヘタクソ!」、「しっかりせい!」 と厳しく稽古をつける一方、自らも88歳の兄弟子・竹本越路太夫さんに指導を仰ぐ住太夫さんが、

「100%満足したという舞台は・・・ないな。」

と語るところに、頂点に立つ者が更に道を究めんと精進し続ける淒みを感じました。

そして、〝足遣い10年・左遣い10年〟といわれる人形遣いの道に14歳で弟子入り以来、文楽一筋の生涯を歩んでこられた玉男さんの無駄な動きを削ぎ落とした至極の芸と圧倒的な存在感は、さすがとしか言いようがありませんでした。

80歳にして、足腰を鍛えるためにボーリングに精を出し、電車に乗って劇場に通う玉男さんが番組の最後に・・・

「(文楽の世界に入ったおかげで)一生勉強できるのは、幸せや。」

淡々と語る姿を見て、

(是非このお二人の舞台をナマで見たい!)

そう思った私は、その後しばらくして開催された東京公演を見に、生まれて初めて国立劇場に足を運んだのです。

              ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-吉田玉男

                   <吉田玉男さん>

率直に申し上げて・・・相撲に番付がある如く、文楽の世界にも演じ手によってかなりの実力差があることは、素人の私にも分かりました。

人間国宝お二人の芸には、他の演じ手にない厚み・深みを感じたものです。

「芸の道に終わりはない」

この言葉を身をもって私たちに見せつける、お二人の息のあった伝統芸をこれからも見続けたい・・・そう思ったものですが、残念ながらそれはもう叶わなくなりました。

今から4年前の今日・2005年9月24日、玉男さんは肺炎により87歳の生涯に幕を下ろされたのです。

自らの芸道を高め続けた人形遣いの至宝・吉田玉男さんの冥福をお祈りしつつ、師匠が残された言葉の数々をしっかりとかみしめたい思います。

芸能に限らず、どんな道にも終わりはないはずですから・・・。笑3 



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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10313070786.html?frm=themeより引用させて頂いております。