別れの曲

2012-05-28 07:07:07
テーマ:

私の知人から電話がかかってきたのは、午後8時過ぎ。


「突然で申し訳ないけど、少し前に母親が急に亡くなったんだ。

ぜひお前に葬儀を取り仕切ってもらいたいんだけど・・・。」

久しぶりに声を聞く彼からの予想外の言葉に驚きつつも、ご遺体を病院から自宅にご安置し打ち合わせ。

ご遺族の希望により、都内の教会でキリスト教葬を執り行うことに。

式場は由緒ある教会の、厳かな雰囲気ながら近代的な趣のある礼拝堂。

数日後にご遺体を搬送し、午後4時過ぎから牧師様の指示に従って〝納棺の祈り〟が捧げられた後、棺を礼拝堂中央に安置。


書道の師範をしておられたという故人様とのお別れには200名近い方々が参列されて讃美歌を歌い、祈りを捧げられました。

式後にはお食事などを用意させていただきましたが、通常よりも飲み物が多く出たのは皆さんが一生懸命歌われた証拠だったかもしれません。

そして葬儀・告別式にあたる 「葬送式」 が行われる翌日・・・開式までまだ3時間もある早朝8時、私は一人礼拝堂にやってきました。

          ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草

仏式葬や無宗教葬と違い、キリスト教葬では全て牧師様の仕切りにより式が進むため、葬儀屋の私が式中に出る幕は殆どありません。

そこで私は、礼拝堂の隅に置かれていたグランドピアノを弾いて曲を捧げ、せめてものご供養を・・・と思ったのです。


献奏曲は、今回のように棺周りを生花で囲む装飾を弊社で〝エチュード〟コースと名付けていることに因み、ショパンのエチュード(練習曲) 『別れの曲』


十字架に掛けられて宙に浮かぶイエス・キリスト、故人様、そして私の3人しかいない、柔らかな朝日が差しこむ礼拝堂に、たどたどしいピアノの音が響き渡りました。


残響音が心地よく、まるで風呂場で歌っているかのよう・・・下手くそな私が弾いても、それなりに聴こえたのが救い。


葬儀社を始めて10年近くになりますが、自らのピアノで故人様を送ったのは初めてのこと・・・私にとっても忘れられない葬儀となりました。


願わくば、故人様が 「最期に下手なピアノを聴かせるなんて・・・」 とお怒りになっていませんように・・・。笑3 アーメン




              ペタしてね

こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-11159923479.html?frm=themeより引用させて頂いております。