前代未聞

今からちょうど40年前の今日・1970年3月24日、我が国で前例のない葬儀が執り行われました。


なぜならその葬儀、故人が実在の人物ではなかったからなのですが・・・その人の名は、


 力 石 徹


そう、スポ根漫画の名作・『あしたのジョー』 に出てくる、主人公・矢吹丈の〝終生のライバル〟。


少年院時代から因縁があり、ボクシングの聖地・後楽園ホールで遂に決戦することとなった両者。


体格差を埋めるために壮絶な減量をして試合に臨んだ力石選手は、強烈なアッパーカットでKO勝ちを収めたものの、ダウンした際に頚椎をロープで強打したことが原因で、試合直後に息を引き取ったのです。

            
             ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-力石徹

彼の死が描かれた少年マガジンが発売された直後、同誌の内田勝編集長の元には読者からの弔電や香典が山のように届いたといいます。


その後作家・寺山修司氏が世話人となって、彼の葬儀が講談社の講堂で挙行されることとなりましたが、(当然のことながら)読経してくれるお寺様を探すのにも一苦労・・・寺山氏の作った告別式の台本が配布されたのは、開式直前だったそうです。


後楽園ホールのリングを解体して式場に持ち込み、そこでアニメの主題歌歌手・尾藤イサオさんがプロボクサーと模擬ファイトした後、熱唱。


「お前を殺したのは誰だ、誰なのだ、力石よ!」 

弔辞者がそう叫んで弔辞文を破り捨てるという型破りの告別式には、平日にも拘わらず小学生から社会人まで約800名が参列、読経が流れる中で焼香をしたそうです。


当時は東大紛争など学生運動が盛んな時代・・・この葬儀の一週間後には犯人が 「我々はあしたのジョーである」 と叫んだ〝よど号乗っ取り事件〟が起きています。


(2002年には同じ講堂で三十三回忌法要が行われ、その時にも約300名のファンが参列したとか。)

現在に至るまで、架空人物の葬儀が執り行われたのは力石徹と、2007年4月の 「ラオウ」 (北斗の拳)2人のみ。

主役ではない力石徹やラオウの死に、なぜこれ程までに人々が涙するのでしょうか? (2人とも男臭い、武骨なキャラクターなのは、単なる偶然?)

もっとも葬儀屋の私とすれば、架空人物の死を悲しむ人々がいる反面、肉親の葬儀で涙ひとつ流さない方を目にすると、何とも複雑な心境になるのですが・・・。うー



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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10428582811.html?frm=themeより引用させて頂いております。