天 誅


警察などが繰り返し注意を呼び掛けているにもかかわらず、「振り込め詐欺」 はなかなか根絶できません。


善意の第三者から金を騙し取る悪質な手口は本当に腹立たしい限りですが、こういった善良なお年寄りをターゲットにした詐欺事件のハシリといえば、


 『豊田商事事件』

同社の営業社員が行ったのは、独り暮らしのお年寄りに言葉巧みに取り入り、金・地金を販売しながら現品を渡さず「純金ファミリー契約証券」なる〝紙切れ〟を現金と引き換えに渡すという現物まがい商法。

グループ会社による同様の手口のものを合わせると被害者約5万人・被害総額2,000億円以上といわれ、「解約に応じてくれない」 などの苦情が国民生活センター等に多数寄せられて、1985年に大きな社会問題となりました。

そして同社の会長だったのが、永野一男

岐阜県に生まれ、中卒後集団就職した後は勤務先を転々・・・顧客の金を勝手に商品相場に突っ込んで大穴をあけ解雇されるなどの経歴を持つ人物。

老人が多額の現金を持っている事に目をつけた彼は、1981年に豊田商事を設立。

売上金の半分を営業マンの給与などの会社経費にあて、残りは殆ど永野会長の借金の穴埋めなどに使ったという、メチャクチャな経営だったようです。

当然の如く、同社は法人税を滞納。 

1985年6月15日に同社は外為法違反で強制捜査を受け、永野会長も事情聴取を受けたのですが・・・その3日後の6月18日、事件は起こりました。


同日逮捕されるという情報を掴んだマスコミが張り込む永野会長のマンション(大阪市北区)に、自称右翼のI(当時56)とその知人S(当時30)が乗り込んできました。


そしてガードマンを威圧して排除した後、彼らは 「永野を殺せと頼まれたんや」 と言い放ち、報道陣が持っていた折りたたみイスでドアを数回叩きます。


            ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-豊田商事

そして窓格子を力づくで取り払うとガラスを蹴り破って室内に侵入、持っていた銃剣で永野会長を襲撃。


13ヶ所を切りつけられ、32歳の永野会長は絶命。

(ちなみに、これだけの詐欺事件を起こした張本人でありながら、この時の所持金は僅か711円だったとか。)


実行犯の2人は悪びれることもなく、かけつけた警察に連行されました。


この時の生々しい写真が写真週刊誌 『FOCUS』 に掲載され、あまりの凄惨さに目を背けた方も多かったと思いますが・・・この2ヶ月後に起きた御巣鷹山の日航ジャンボ機墜落事故と並ぶ同年の衝撃的な出来事でありました。


翌年大阪地裁から実行犯の2人に言い渡された判決は、温情判決とも言える懲役10年と8年・・・殺人犯としては異例の軽さだったことと合わせ世間の物議を醸したのは、現場に居合わせたマスコミの対応。


明らかに殺意を抱いた突然の訪問者を誰一人止めることなく現場は殆ど〝公開処刑〟と化したことに、世間だけでなく同業者からも批判が起きました。


マスメディアの役割は、そこで起きた事象を伝えることでしょうが・・・それが犯罪であった場合、彼らにはそれを制止する義務はないのか?


災害現場で救援活動よりも取材を優先することが是か非か、という問題と根は同じかもしれませんが、皆さんは取材陣が〝報道に徹した姿勢〟を、どう評価されるでしょうか?


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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10834752254.html?frm=themeより引用させて頂いております。