失意と誇りと

2009-03-29 07:07:07
テーマ:

ロバート・ファルコン・スコット

Robert Falcon Scott

この名前だけで、どんな人物であったかが判る方は、かなりの〝イギリス通〟か〝冒険通〟でしょうネ。

彼は1868年生まれのイギリス海軍士官であり、南極探検家でした。

1910年、スコット氏は科学調査と共に世界初の南極点到達を目指してイギリスを出発し、翌年10月には南極大陸に上陸。 

しかし同時期に、北極点到達をアメリカ人・ピアリーが達成したため目標を南極点に切り替えたノルウェー人冒険家・アムンセン氏も南極点到達に向かっていました。

そして1912年1月17日スコット隊が南極点に到達した時・・・そこには、約1ヶ月前の12月14日に一番乗りを果たしたアムンセン隊が残したノルウェー国旗やテント、そして手紙が置いてあったのです。泣き1

           ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-スコット

               <南極探検初期のスコット氏>


失意と極度の疲労、そして荒れ狂うブリザードの中帰還を目指したスコット隊でしたが、食料基地まであと20kmの地点で遂に力尽き、5名全員は不帰の人(※1名は行方不明)となってしまいました。

当初圧倒的に有利といわれたスコット隊が何故後塵を拝し、かつ命を落としたのか?・・・に関しては、様々な分析がなされ、

◆ アムンセン隊が犬ぞりを使用したのに対し、スコット隊は雪上車と馬を利用したが、雪上車が故障し馬が寒さに耐えられず次々に死亡、人力で荷物を運搬しなければならなかった。


◆ アムンセン隊は食料を現地で海獣を狩るなどして調達したのに対し、スコット隊は膨大な食料を運搬しようとした。

などといわれています。 またこの冒険に際して「世界初の南極点到達」を謳って資金を集めたため、途中で断念することができなかった・・・とも推測されています。

しかし私はこのスコット氏を、一番乗りを逃したとはいえ〝英国紳士〟として、また一人の男性として尊敬します。

アムンセンの残した手紙を持ち帰って彼らの人類初の快挙を証明したこと、絶望の淵にありながらも亡くなる直前まで克明に日記を残して自らの行動を後世に知らしめたこと、そして最後まで家族を気遣う手紙まで遺したこと・・・中々出来ることではありません。

彼の日記のラストページ・・・即ち1912年3月29日付けの文面を以下にご紹介します。

            ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-スコット 最後の日記

             <スコット氏が書き残した日記の最終ヘージ>  

Thursday, March 29 – Since the 21st we have had a

continuous gale from W.S.W. and S.W.

We had fuel to make two cups of tea apiece and bare

food for two days on the 20th.

Every day we have been ready to start for our depot

11 miles away, but outside the door of the tent it remains

a scene of whirling drift.

I do not think we can hope for any better things now.

We shall stick it out to the end, but we are getting weaker,

of course, and the end cannot be far.

It seems a pity, but I do not think I can write more.


R.Scott

Last entry

For God’s sake look after our people.


3月29日 木曜日 ― 21日から西南西・南西の暴風が止まない。

我々には20日から1人当たり2杯の紅茶を沸かす燃料と僅か2日分の食糧しか残っておらず。

毎日11マイル先の貯蔵基地に出発する準備はすれども、外は猛吹雪。

状況が好転するとは思えない。 

我々は最後まで頑張る所存なれど、日々衰弱が酷く最期の時はそう遠くはなかろう。

残念ながら、私はこれ以上書き記すことは出来まい。

 

R.スコット

最後にこれを記す

願わくば我々に神のご加護を。  (※拙訳 ナベちゃん)


・・・半年後、捜索隊により発見された時、詩集を手に息絶えていたという

R.F.スコット氏のご冥福を、心よりお祈り致します。





こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10212163059.html?frm=themeより引用させて頂いております。