
接 待 <上>
ビジネス上、特に営業で 「接待」 はつきもの。
サラリーマン・自営業にかかわらず、接待経験のない方は殆どいらっしゃらないと思います。
かく言う私も保険会社勤務時代は営業職一筋20年・・・担当者同士1対1の飲み会や上司を交えての麻雀接待等々、実に様々な経験をしました。
その中で最も大掛かりだったのは、某地方支店勤務の時に毎年行われていた地元上場企業のゴルフ接待。
参加者が先方の社長&主要役員と、こちらの会長・担当役員・本部長・支店長らオールスターですから、3ヶ月以上前から日程調整やら段取り確認やら、それはもう支店をあげての一大イベント。
組み合わせをどうするか? まるで結婚披露宴の席次を決めるかの如く喧々諤々の論議が繰り返されました。
面白かったのは、先方から提出された参加者リスト。
ハンデを見ると、殆ど社長より多くなってるんです。
私が以前ご一緒したことのある某役員なんて、常に80台前半でラウンドするのに申告ハンデは24。
(これじゃ、ネット60前後になっちゃうゾ・・・。)
なんて、余計な心配をする私。
まぁ、そんなこんなでやってきたコンペ前日。
支店長・副支店長・営業課長と担当者だった私の4人で、東京から飛行機で現地入りした会長を囲む懇親会から一連の(社内外)接待がスタート。
支店長の 「いやァ、遠い所ご足労いただき、ありがとうございます。」 という挨拶から和やかにスタート・・・したのは良かったんですが、コース料理の1皿目に〝白魚の踊り食い〟が出てきたんです。
実は私、会長が無類の肉好きで魚が大嫌いなのを東京本社勤務時代から知っていたものですから、一遍に顔から血の気が引いてしまいました。
(あちゃ~、支店長・・・そりゃマズいですョ。)
そうは思っても口には出せないのが下っ端サラリーマンの辛いところ。
私は会長のご機嫌が斜めにならぬよう祈りつつ、只々下を向くばかり。
しかしさすがは会長、顔色を変えずニコニコ・・・しつつも、一切踊り食いには手をつけず。
そしたら支店長、よせばいいのに 「どうぞ、どうぞ。」 なんて勧める始末。
幸いにも会長のご機嫌は斜めになることはなく、懇親会は無事終了。
しかし接待相手の好みすら調べず、自分の好物を宴席に出す支店長・・・明日は大丈夫なのか? 一抹の不安がよぎる私。
そしてコンペ当日は、幸いにも快晴。
下っ端の私は、当然の如く黒子役・・・スタート2時間以上前にキャディーバックを持たず、背広姿でゴルフ場入り。
正面玄関でのお出迎えから始まって、1番ティーグラウンドでの集合記念写真や全員のティーショット撮影等々、仕事が山積。
当時はデジカメなんて存在せず、現場で画像確認などはできませんから、失敗しないように細心の注意を払わねばなりません。
特に我が社の会長は素振りなしでいきなり打つことを事前情報で掴んでいましたから、取り直しのきかない一発勝負。
幸いうまく撮れましたが、5組全員スタートした頃には既にクタクタ。
背広姿のままコースで浮きまくっていた私は、トボトボとクラブハウスに戻ったのでした。
(あ~あ、朝からこれじゃあ、先が思いやられるワ。)
ゴルフをしないゴルフ場での1日は、まだ始まったばかりです。
・・・・・To be continued!
こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10692162104.html?frm=themeより引用させて頂いております。

