接 待 <下>

クラブハウスに戻った私は、一緒に黒子役に回った営業課長と共にラウンジでコーヒーを飲みながらしばし休憩。


その後昼食時の席順など段取りを確認後、9番Hのグリーン脇へと移動。

第1組がスタートして約2時間後、ホール・アウトされた社長・会長らに、

「お疲れ様でした~。 休憩室にご案内致します。」


用意しておいた冷たいおしぼりを手渡しながら、この日のために支配人室をお借りして準備した、「特別室」(?)にご案内。


両社トップは着席すると、お互いに気を使いながらメニューの相談。


「会長、何を召し上がりますか?」 

「いやいや社長、何でもお好きな物をどうぞ・・・。」


なんてやり取りの末、接待先の社長が選んだメニューは、何と一番安いカレーライス。驚き顔 エッ?


それを聞いた我が社のトップは、「じゃあ、私も。」


アララ・・・。

           ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-カレー

それからほぼ7~8分おきに後続組が上がってきたのですが・・・可笑しかったのは、私がおしぼりを渡すたびに彼らが開口一番聞いてくるのが、同じ質問だったこと。


「キミキミ、社長たちは何を食べてるの?」

「第1組の皆様は全員カレーライスですが・・・。」

「あっそう。 じゃあ、僕らもカレーでいいョ。」

の会話が繰り返され、結局全員がカレーライスのご注文と相成りました。

皆さん、想像してみてください。

高級レストランの如く白いクロスがかけられたテーブルについた一部上場企業の役員20名が、黙々と安いカレーライスを食べている光景を。

支配人室の中で聞こえる音は、カチャカチャというスプーンの音と、両トップの他愛ない会話だけ・・・。


「では、そろそろ行きましょうか。」

第1組が部屋を出た途端、それまで沈黙と緊張感に溢れていた室内の空気が一気に緩んだ光景を、皆さんにも見ていただきたかったです。

全員のインスタートを見送った後、やっと課長と私は昼食にありつけました。

当然2人もカレー・・・なワケないでしょう。 誰も見てないんですから。

渋る課長を説得して、私はそのゴルフクラブで最も高い和膳高級弁当をしっかりいただきました。あせあせ


(後日経費を精算した副支店長に呼ばれ、「おまえ、随分高い弁当食ったなァ。」と言われましたが、「私らはゴルフしてないんですから、それくらいいいでしょ!」と開き直ってお咎めナシ。)

美味しい弁当をゆっくり味わった後は、表彰式の準備。

それを終えると後半スタートから2時間が経過、急いで18番グリーンへ。

またおしぼりを用意して皆様をお出迎えし、懇親コンペは無事終了。

接待先の社長はまずまずのスコアであがってしっかり準優勝・・・いたく上機嫌でビールを飲み干されていました。

もっとも、優勝してしまった役員さんは平身低頭、恐縮しきりでしたが。

私が心配していたハンデ24の某役員さんは、しっかり100以上叩いて10位以下・・・大相撲の八百長よろしく、さすがの気配り。

表彰式も滞りなく終わり接待先の方々を見送った後、私が運転する社用車に会長・役員をお乗せして、今度は弊社だけの 「慰労会」 会場へ。

場所は当初支店長が予約していた割烹料亭から、会長の意向で支店近くのありふれた居酒屋に急遽変更。

接待に参加しなかった支店社員も呼ばれました。

若い支店社員たちに囲まれすっかりリラックスした会長は、普通我々が食べるような焼き鳥やら煮込みやらのメニューをオーダーすると、支店長に向かって

「こういうメニューでいいんだョ、キミぃ。」

と、昨夜の踊り食いの当て付け(?)を一発かましてました。 

でも残念ながら、当の本人はそれがイヤミだとは最後まで気付かなかったようですけど。ダメだぁ顔 ダメダコリャ

この支店長がその後出世したかどうかは、皆さんのご想像にお任せします。

いろいろな意味で、〝大人の気配り〟を学ばせていただいた、20年以上前の思い出深い接待でした。笑2



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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10692660947.html?frm=themeより引用させて頂いております。