教習所 < 下 >

2011-06-26 07:07:07
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鼻歌まじりにスタートした私でしたが、中年の試験官が資料に目を通しつつ、

「ほォ~、君はここまでパーフェクトかァ。 いやァ、大したもんだねェ。」

と舐めるような上目使いで私を見ながら口にした瞬間、イヤ~な予感。うー

さっきまで優しい言葉を女子大生にかけていた試験官は、一転無言のまま。

車内は何とも言えぬ重たい雰囲気。

(なんだ、この試験官。 単にスケベオヤジなだけか?)

そう思いつつハンドルを握り、検定コースの半分くらいまで来た時でした。

私の進行方向左側、信号機のない小さな交差点の角に、ジャンパーを着て手に一斗缶を持ったオジサンが立ち止まっていたのです。

彼は私に背中を向けていたので、当然そのまま私と同じ進行方向の横断歩道を渡るものと判断。 


一時停止の標識もなかったので特に止まることもなく徐行して交差点内に侵入しよう・・・と、そこで試験官が急に補助ブレーキを踏んだのです。

        
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「えっ、何?」 と思わず声が出た私に向かって、試験官はこう言いました。

「あの人、クルマの前を横切るかもって思わなかったの?」

「だって、こちらに背中向けてるんですョ。」 と私が言った瞬間、そのオジサンはスタスタと私らの進行方向の横断歩道を渡っていくではありませんか。

「ほら、横切らなかったじゃないですか!」 と気色ばむ私に、彼はこう返してきたのです。

「それは結果論。ドライバーはあらゆる可能性を想定する必要があるわけネ。」

「へぇ~・・・じゃあ、アナタは交差点に人がいたら、どっちを向いていようがイチイチ停止してるんですか?」

「そんなことは言ってないだろ。」

「そういうことだろうが!」

だんだん喧嘩腰になったところで、彼から〝死刑宣告〟が。

「とにかく、補助ブレーキ踏まれたんだから、今回は不合格。 

 じゃ、気をつけて戻って。」

「ほ~っ、そうですかぃ。 上等だョ。」

(この野郎、最初からそのつもりだったナ・・・。)


完全にプッツン状態の私は、その後の運転は制限速度なんて関係なし、途中でセンターラインを故意にまたいで走るなどやりたい放題。

試験官に 「おい、何やってんだ。」 と言われても、(どうせ不合格なんだから、関係ねェだろ!) と完全無視。

ただ運転中にチラッとバックミラーを見た時、後ろに座っていた女子大生が泣きそうになっていたのにはちょっと心が痛みましたが。

でも不合格で何が痛かったって、再受験までにあと2時間路上講習を受けなければならなかったこと。

そのために必要な2万円近い追加料金は、貧乏学生に堪えました。 

費用捻出のため、2週間以上昼飯抜きで過ごす羽目に。ダメだぁ顔

食い物の恨みは恐ろしいって言いますが、私は今でもその教官の名前と顔をはっきり覚えてますョ。

補習でも仲良しの教官を指名したんですが、「あれっ、何で落ちたの?」 と聞かれ、事の顛末を運転しながら話すと、

「あのオッサンかぁ~・・・彼、陰険で有名なんだョ。 キミも運がないなァ。」

とカラカラ笑われ、悔しいやら情けないやら。

結局その後の検定試験には合格し、晴れて免許を手にした私ですが・・・今でも 「仮免許練習中」 とか「検定中」 と表示した教習自動車を見るたびに、あの時の悔しさがこみ上げるのです。うー


・・・って、執念深過ぎ?

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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10848124560.html?frm=themeより引用させて頂いております。