
生命力
私は〝National Geographic〟などのTVドキュメンタリー・自然科学番組が大好き。
最近もイギリスBBCが製作した〝Life 生命という奇跡〟というシリーズ番組が放映され、そのいくつかを見ることができました。
毎度の事ですが・・・学校で教えてもらったわけでもないのに、どうして動物たちはあんな知恵が働くのか? 不思議に思うと同時に感動します。
そんな中でちょっと印象深い、というか考えさせられるシーンがありました。
それは、ある昆虫 (カメムシの一種) のお話。
このカメムシの幼虫は、特殊な木の実の汁を吸って成長するのが特徴。
まじめ(?)な母親は、一生懸命木の実を探しては巣まで運ぶ毎日。
ところが人間界同様、虫の世界にもズルをして楽しようとする自己チューなヤツもいるようで・・・やっと見つけた木の実を転がして、腹をすかせた子供たちが待つ巣に向かっていた〝まじめ母〟を待ち伏せ、それを横取りしようとする別の〝ちゃっかり母〟が現れたのです。
せっかく運んできた木の実を奪われまいと必死に抵抗する〝まじめ母〟。
ドラマだったら最後に勝つのは正しき者なのですが、弱肉強食の自然界ではそんな甘い展開にはならず・・・運搬で疲れていたのか、結局〝まじめ母〟は〝ちゃっかり母〟に木の実を略奪されてしまいます。
仕方なく、別の実を探して巣に帰った〝まじめ母〟は、茫然自失。
それもそのはず、いるはずの我が子が忽然と姿を消していたのですから。
腹をすかせた子供たちは母親の帰りを待ち切れず、餌を求めて全員が巣を飛び出してしまったのです。
〝まじめ母〟は子育て失格、哀れにも全ての子供を失うことに。
さて、一方の〝ちゃっかり母〟はというと・・・奪った木の実を転がしつつ、意気揚々と自分の巣に戻ってくると、これまた愕然。
なんと子供の数が2倍に増えているではありませんか! ウソッ
そうなんです。 2匹の母親が争っている間に、空腹で巣を飛び出した子供たちが匂いに誘われたのか、近くにあった〝ちゃっかり母〟の巣に入り込んでいたのです。
せっかく奪ってきた木の実の汁をアッという間に吸い尽くし、もっとエサをちょうだい! とばかり〝ちゃっかり母〟にまとわりつく両家(?)の子供たち。
その日から、彼女は今までの2倍のエサを巣に運ぶ羽目に。
そしていよいよ巣立ちの日・・・それまで必死に木の実を運び続けた〝ちゃっかり母〟は、とうとう過労死。
子供たちは、それまでセッセとエサを運び続けた〝ちゃっかり母〟の死骸をキレイに食べ尽くし、厳しい自然界へと旅立っていったのです。
人間(ホモ・サピエンス)の歴史は高々25万年、それに対して昆虫は遥か約4億年も昔から・・・氷河期を何度も乗り越えてきた彼らの生命力の強さ、逞しさを見せつけられた気がしました。
人類は知能が進化した分、生命力が退化しているのかもしれませんネ。
しかし、この昆虫の生き様・・・
◇ ズルをしても、その報いは我が身に返ってくる〝因果応報〟
◇ 親の〝悲しき宿命〟
◇ 生き抜くことの厳しさ
等々、まるでイソップ物語のような寓話の如く、多くの真理を人間に教えてくれているように思えてなりません。
こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10559312352.html?frm=themeより引用させて頂いております。

