空 泳

やねより たかい こいのぼり   おおきい まごいは おとうさん
    ちいさい ひごいは こどもたち   おもしろそうに およいでる”
音譜


何年も歌ってないのに、今でもしっかり憶えている童謡・『こいのぼり』。


もうすぐ端午の節句を迎える日本各地には、大小様々な鯉のぼりが泳いでいることでしょう。

この 『こいのぼり(鯉幟)』 の風習は、江戸時代に端午の節句・5月5日(旧暦)まで男児の出生を願って武家が庭先に飾ったのが始まりとか。

黄河にあった竜門という滝を多くの魚が遡上できない中、鯉だけが登り切って龍になった・・・という中国・後漢書の故事に因む、立身出世の象徴だったのだそうです。

本来は黒い真鯉のみを上げていたようですが、明治・大正時代には真鯉と緋鯉の対となり、更に昭和に入ってからは子鯉も加わって色も徐々にカラフルになってきたとのこと。

私が子供の頃、弟と2人兄弟だった我が家では、4月下旬くらいから毎年オヤジが矢車をてっぺんにつけた10m近い木柱を庭の隅っこに立ててくれて、吹き流しを一番上に4,5匹の鮮やかな鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいた光景を憶えています。

しかし現在の都心ではそういう本格的(?)な鯉のぼりを目にする機会は殆どなく、マンションのベランダから垂れ下がっているミニチュア鯉のぼりばかり目立つのが残念ですが・・・。

          ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-こいのぼり

この鯉のぼりに関して、私には忘れられないエピソードがあります。

それはもうン十年も前のことですが・・・私の知人女性が、とある田舎の素封家に嫁ぎました。

程なく妊娠したところ、地元の名士だったお義父さんは大喜び。

当時は子供の性別など事前に教えてくれない時代でしたが、彼は跡継ぎができたと完全に思い込み、それはそれは立派な鯉のぼりを購入。

生まれる前から高々と庭に泳がせご満悦だったそうですが・・・生まれてきたのは、女の子。

ガックリ肩を落とすお義父さんの姿を見て不憫(?)に思った若夫婦は、頑張ってすぐまた妊娠。

再び元気を取り戻したお義父さんは、またもや鯉のぼりを引っ張り出してきたそうですが・・・残念ながら2人目も女の子。

またまたガッカリしたお義父さんのために、若夫婦は再度頑張って即妊娠。

「今度こそ!」 と願をかけて、お義父さんは時期外れを承知で冬から鯉のぼりをあげたそうですが、なんと3人目も女の子!あせあせ

年子の三人娘を抱え 「申し訳ありません」 と済まなそうに謝ったお嫁さんに、お義父さんは 「もう、これ以上頑張らなくていいから。」 と息子夫婦の頑張りを労い、以後その素封家の敷地内で鯉のぼりが泳ぐことは二度となかったとか。

大きな鯉のぼりを目にするたび、私はそのお義父さんの無念を思い、ちょっぴり切なくなるのです。

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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10864275450.html?frm=themeより引用させて頂いております。