素 読

安岡正篤氏に師事し、農業に勤しむ傍ら古今の聖賢の教えを学んだ、吉田良次氏という方がいらっしゃいました。


彼の非凡な点は、その学びを我が身のみに留めなかったことです。

自分が培ったものを少しでも後世にと自宅の納屋を改築し、「丹養塾幼稚園」という保育園を開設、古典の徹底した素読教育を実践したのです


2歳から6歳まで、園児は常時20人程。

吉田氏は自分が感動をもって学んだ古典の言葉をそのまま教えました。


子供たちの1日は、朝30分の〝勤行〟からスタート。

「般若心経」、「修証義第四章・発願利生」、それに本居宣長などの 「和歌」 などを唱和するのです。


意味を教えたり、解説を加えることはしません。

吉田氏が先頭に立ってとにかく朗誦し、子供たちが後について和するだけ。


その繰り返しが驚くべき力を発揮したのです。

1年もしないうちにどの子も古今の名言をすらすらと朗誦するようになったのです。


それだけではありません。


新しく入ってきた子は、年上の子に倣って朗誦するように・・・そしていつしか漢字混じりの原文を読み、書き、意味を理解するようになっていくのです。


その吉田氏が亡くなられた時、葬儀で園児代表として吉田歩未ちゃんが読んだお別れの言葉をご紹介しましょう。

              ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-素読

          ◇     ◇     ◇     ◇

<お別れの言葉>

園長先生、歩未の声が聞こえますか。

2歳10ヶ月の時、丹養塾幼稚園に入園してから、漢字・算盤・諺・俳句・花園文庫・伝記・少年日本史朗誦選集など、園長先生には沢山の事を教へて頂きました。

毎日一所懸命勉強して南宋の文天祥の正気歌を暗誦できるやうになった時も、算盤の大会でトロフィーを貰って来た時も、園長先生はとても喜んで褒めて下さいました。

それから園長先生は色々な所に連れて行って下さいました。

北海道巡歴研修でクラーク博士の像の前で「青年と大志」を朗誦した事、青森駅のデパートの軒先で野宿をした事、北陸巡歴研修で、永平寺で座禅をした事、橋本佐内の銅像の前で啓發録を読んだ事、沢山の楽しい思ひ出があります。

他にも、親子教室甲山の遠足、運動会、お餅搗き、立志集、卒園式、小音楽会、桃太郎の劇など園長先生に教へて頂いた素晴らしい思ひ出が沢山出来ました。

これから園長先生は天国へ行って、私達の事を見守っていて下さい。

私達は、園長先生に教へて頂いた事をいつまでも忘れず深くさぐって強く引き出す人になります。

天から受けたものを天にむくゆる人になります。

そして、この世に役立つ人になります。

園長先生、ありがとうございました。

                        園児代表  吉田 歩未

          ◇     ◇     ◇     ◇

                <小さな人生論2(致知出版社・刊)より抜粋>



歩未ちゃんは当時6歳。 彼女自身が考えた弔辞だそうです。

 〝この師ありてこの子あり

      子供の能力は無限なり

           そして継続は力なり〟


 

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こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10595855817.html?frm=themeより引用させて頂いております。