酒 癖 < 下 >

「誰もいないのか?」 と言われて、「ハイ、ここにいます。」 と答えるわけにもいかず、私は頭から布団を被ったままで息を殺しつつ、ソ~ッと様子を伺います。

(クマに見つかった時に死んだふりをする人の気持ちって、きっとこんな感じなんだろうなァ~・・・)

などと、しょうもないことを考えているうちに・・・Aさん今度はナニを思ったか、真っ暗な部屋の中を手で壁を伝いながらカニ歩きし始めました。

10畳ほどの部屋の中を、壁 → 障子 → 壁と伝い歩きをするAさんを、私は部屋の真ん中からジィ~ッと目で追います。

(一体ナニがしたいんだ?)

すると、ほぼ部屋を3/4周したところで、押入れに辿りつきました。

Aさん、軽く手で襖をバンバンッと叩くと、バッとそれを開けたのです。


             ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-襖

(あの~、もう布団は敷いてあるんですけど。)

すると、ナニやらゴソゴソッと音がした・・・次の瞬間!

チョロチョロチョロ・・・ジョジョ~・・・ 

(え゛~っ、 ま、まさか!)

何たることか、Aさんはトイレと間違えて、オ○ッコをし始めたんです!驚き顔 ウソッ

その間何秒だったのかは記憶がありませんが・・・用が済んだAさん、またゴソゴソッとしてからご丁寧に襖を閉めると、そのまま足元の布団に入り、すぐに大イビキをかいて寝入ってしまったのです。

私はたった今見た光景が信じられず、ただひたすら (オ、オレはきっと悪い夢を見てるんだ) と言い聞かせ・・・そのまま寝てしまいました。汗

翌朝6時過ぎ。

私は目覚めて体を起こし、既に朝日が差し込んで明るくなった部屋を見回すと、全員が布団の中にいました。 

そして部屋の中には、何ともいえないアンモニア臭が漂っています。

(アチャ~、やっぱりアレは夢じゃなかったんだァ。)

爆睡するAさんをまたいで、ソ~ッと襖を開けると、押入れ一面に大きなシミが・・・そしてその真ん中にビショビショに濡れた旅行カバンがひとつ。

それは同室の若手社員のものでした。

後で聞いたら、彼自身が部屋の真ん中に置きっぱなしにしたカバンを、仲居さんが布団を敷いた時に、押入れの中に入れたんだそうです。

私はただただ呆然。

1時間後、その若手社員が起きて洗面道具を取ろうとカバンを探し、押し入れの中から引っぱり出したその瞬間・・・

「うわっ、なんだコレ。 なんでこんなに濡れてるんだ?」

と絶句。 私が昨夜の出来事を彼に話すと、彼はもう涙目。 


すぐに寝ているAさんを揺り起こして猛抗議。

「酷いじゃないですかぁ、ボクのカバンにオ○ッコかけるなんて!」

無理やり起こされた不機嫌さも加わって、それを聞いたAさん・・・本気で怒っちゃいました。

「バカヤロウ! オレがそんなことするわけないだろうが。 

そこまで言うなら証拠を出せ、証拠を!」

当時はDNA鑑定なんか誰も知りませんでしたから・・・なんて冗談はともかく、上役のあまりの剣幕に、若い彼はビビッてそれ以上何も言えず、泣きながら洗面所でカバンを拭いてましたっけ。


ちなみに、液体はカバンの中まで沁みこんでいたようです。泣き1

記憶がない・・・ってのは、無敵ですネ。

幸い(?)にも、このAさんはその2ヵ月後に別の支店に〝ご栄転〟されましたので、更なる被害者は出ませんでしたが・・・もしかしたら新任地でも同じ悲劇が繰り返されていたのかもしれません。

どうかお酒を飲む方は、記憶が飛ばない程度に召し上がってください。

酒は飲んでも呑まれるな! 

  そして用はちゃんとトイレで足しましょう!怒り顔



こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10183317772.html?frm=themeより引用させて頂いております。