“粋”なお別れ

奥様にとって、やさしいご主人でした。


お嬢様にとっても、やさしいお父様でいらっしゃいました。


そしてまだ小さなお孫さんにとっては、「特別に」やさしいおじいちゃまでした。

病が重くなり、意識が混濁され、奥様やお嬢様が話しかけてもはっきりと返事ができなかったのに、お孫さんが「じいじ!」と耳元で囁くと、ちゃんと返事をされたおじいちゃん・・・。

「年内は持たない」という医師の宣告にもかかわらず、頑張って年を越したおじいちゃん。

でも、とうとう一段と冷え込みが厳しかった1月のある朝、天に召されてしまいました。


訃報のご連絡をいただき、昼過ぎからご自宅で奥様とお嬢様と私の3人でご葬儀の打ち合わせをしていた時、お嬢様の携帯が鳴りました。

「はい。・・・・はい? えっ? どうしたの? どうして泣いてるのょ?・・・・うん、わかったからすぐにお家に帰ってきなさい。」


ただならぬ雰囲気に、「どうしたの?」と奥様が尋ねると、「うん、娘からなんだけど、『ピカチューがおじいちゃんになっちゃった』って泣いてるのょ。ワケがわからないからすぐ帰ってくるように言ったの・・・。」 


う~ん、一体ナニがあったんだろう・・・?。


それから約15分後、泣きはらして目を真っ赤にしたお孫さんが帰ってきました。

玄関先で出迎えたお嬢様に、お孫さんが「ママ、コレ見て!」と手にした携帯電話を差し出しました。


それを見た途端、「やだ、ウソ、お父さんじゃないの!」とお嬢様の目からドッと涙が・・・。


ナント、携帯電話の待ち受け画面にニッコリ笑ったおじいちゃんの顔写真になっているではありませんか!目 (私もこの目でハッキリと見ました。)


聞けば、お孫さんが電話をかけようといつも通りに操作していたら、お気に入りのピカチューの待ち受け画面が、突然おじいちゃんの顔写真になったので、ビックリしてお母さんに電話したのだとか・・・。


その時お孫さんはおじいちゃんが亡くなったことを知りませんでした。


そして、奥様もお嬢様も、その写真を撮った記憶がないのだそうです。


ましてお孫さんは写真の撮り方も知らないし、そんな写真がデータに保存されていることすら知らなかったのだそうです。


「もしかしたらおじいちゃん、『その時』のために自分でコッソリ撮影しておいて、今日お孫さんに直接“さよ~なら、元気でね!”って言いに来られたんじゃないですか?」


私がそう申し上げると、奥様はその携帯を胸に抱きしめ、「あなた・・・」としばし絶句されるばかりでした・・・。

            


とっても不思議な・・・

     でもとっても素敵なお別れ・・・・。


きっとおじいちゃん、「ごめんね、ビックリさせちゃって!(^^ゞ」と天国で微笑んでいらっしゃることでしょう。 ・・・・・・(-人-)合掌

こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10067112611.html?frm=themeより引用させて頂いております。