足 音

笑顔が可愛いA子ちゃんは、とある田舎町に住む小学校3年生。 毎日元気に学校に通っていました。

ある日の午後、いつもの道を通って学校から一人で家に帰る途中、背後に人の気配を感じて後ろを振り返ると・・・8月だというのに、黒いトレンチコートを着て、目深に黒い帽子を被った男が10m程後ろに立っていたのです。

不気味な雰囲気に怖くなったA子ちゃんは、小走りになって家路を急ぎますが、背後からは「コッ、コッ」と足音が近づいてきます。

もうA子ちゃんは怖くて怖くて後ろを振り向くことができず、走りに走ってようやく家の玄関まで辿り着きました。

ところが、いつもは簡単に開くドアがその日に限って開きません。

アセってガチャガチャとノブを回しながら、足音が止まった背後を恐る恐る振り向いたA子ちゃんの目には、両手を挙げて襲いかからんばかりのトレンチコートの男性の姿が・・・。

「キャ~~~~~!!」

叫び声を上げたと同時に、A子ちゃんは目が覚めました。

(あ~、ビックリしたぁ。 ゆ、夢だったんだぁ。 怖かった~・・・。)

寝汗をビッショリ掻いた彼女は、ホッと胸を撫で下ろしたのです。

               トレンチコートの男


しばらくA子ちゃんはその夢のことが気になって、帰り道を変えたり、時々後ろを振り向いたりしていましたが、何も変わったことは起きず・・・やがては夢そのものを忘れてしまいました。

それから3年後・・・。


A子ちゃんはもう小学校6年生。来年の中学受験に向け、一生懸命勉強の毎日を送っていました。

そんな8月のある日、学校を出て帰宅途中・・・フッと背後に人の気配を感じたのです。

イヤ~な胸騒ぎを感じながら、チラッと後ろを振り向くと・・・そこには黒のトレンチコートを着た〝あの男〟が!

A子ちゃんの脳裏には、ハッキリと3年前に見た夢が蘇ったのです。

(ウ、ウソッ!?) 

信じられない光景に思わずホッペタを捻ったA子ちゃん・・・。


(い、痛い!)


今度は夢じゃないことがわかった彼女は、一目散に家に向かって走り出しました。

しかし「コッ、コッ」という足音は、あの時の夢と同じように後ろを追いかけてくるのです。

凍りつくような恐怖に慄きながらも彼女は全速力で走り続け、家の前に辿り着きました。

ドアを開けようとすると・・・やはり何故か開きません。

しかも男の足音はもうすぐ後ろに迫ってきています。

恐怖に怯えるA子ちゃんは、もう後ろを振り返ることはできません。

(あぁ、もうダメ!)

・・・そう思った瞬間、どうしても開かなかった玄関が内側からガチャッと音を立てて開いたのです。

「あら? A子ちゃん、お帰り。 どうしたの?」


なんと母親が顔を出してくれたではありませんか。

「あっ、ママ~ッ!」

思わず母親に飛びついたA子ちゃんは、そのまま背後を通り過ぎたトレンチコート男の低い声を、確かに聞いたのです。

「3年前と話が違うじゃねぇか・・・。」



女性の皆さん、背後に立つトレンチコートの男には・・・ご用心を! うー





こちらの記事はhttps://ameblo.jp/warmheart2003/entry-10129409451.html?frm=themeより引用させて頂いております。