修理にかかる手間と時間

吉野さんがノーベル化学賞を受賞されましたね。

恥ずかしながら、ノーベル賞が決まるまで私は吉野さんを存じ上げませんでしたが、リチウムイオン電池には日々お世話になっていますし、社内の開発事業でも採用したことがありました。

授賞式に先立つ記者会見で「私が受賞することは企業に所属する若い研究者たちを勇気づけるだろう」とおっしゃったとか。素晴らしいコメントだと思います。

研究は何も国立の研究機関や大学だけの専売特許ではありません。企業こそが社会が抱える課題の最先端にいる訳で、イノベーションの源泉だと私は思っています。

また、今回の受賞者の選定理由として、ノーベル財団は次のように述べたそうです。

“Lithium-ion batteries have revolutionized our lives and are used in everything from mobile phones to laptops and electric vehicles. Through their work, this year’s chemistry laureates have laid the foundation of a wireless, fossil fuel-free society.”

なんと、受賞理由の背景にあるのは「脱化石燃料社会の礎を作ったこと」にある、という点に感動しました

対するCOP25での日本の化石賞受賞
この落差はどこにあるのでしょうか・・・。
セクシーでもなんでもない。

さて、本題に。

当社では、技術開発こそがベンチャー企業の精神だと信じて、これまでこつこつとファクトリーの整備を行ってきました。特に、ボイラ技術に関して、日本は固体木質燃料をきちんと燃焼させるという技術が定着していないので、民間企業での技術習得と革新が必須であると感じていました。

そこで、お付き合いのあるBioenergy 2020+やロッテンブルグ林業大学、JAMK応用科学大学などでのボイラ等の燃焼実験の施設を真似て、ファクトリーにボイラの性能試験を実施できる環境を整備してきました。
factory_1
ゴチャゴチャしていてあまり写りの良いものではないですが、一式、揃っています(いました)。
factory_2
おそらく、木質ボイラを扱っている日本の民間企業で、ボイラ自体の製造を行っている企業以外では、当社くらいしかこのような試験環境を整備されている所はないと思います。

ところが、今回の水害で、試験直前のボイラならびに試験装置のすべてが一瞬でゴミになってしまいました。
2-3
試験用のボイラだけでなく、配管の中にも泥が入っていますし、冷却装置もファンが死んでいます。
5-3
計測用に付けた遠隔監視システム「オンサイト」もダメになりました。
そういえば、この手前にある白い箱がリチウムイオン電池です。
もちろん、水没して廃棄です。
6-1
ドラフト圧を調整できる排気ファンも、インバータは廃棄するしかありません。
7
その他、排ガス測定器は5台全て廃棄。
16
水分計も、簡易水分計2台が水没。
20
開けてみたらこんな感じです。
083436
裏側はこの通り。

もっと早くに分解清掃すればよかったのでしょうけれど、一つ一つの機器を分解して洗浄し、組み立てて動くかどうかを判断するしかないので、とにかく、時間がかかります。

水分計は加熱乾燥式のものも水没。
21
水分計測のISO規格の試験で使う恒温器もご覧のとおり。
22-3
重量計も秤量の違う3台が水没。
28
非常に高価な「ふるい振とう器」もとりあえず、アウトです。
23-2
正弦波を出せるインバータも廃棄。
33-1
書いているだけで怒りが湧いてきます

しかも、最近急に寒くなって、水道が凍り始めました
094130
機器を洗う手がかじかみます。

モータ類はとにかくバラバラにします。
150106
そして水で洗浄、そのあと乾燥。
143250
グリスアップして組み付け。
102844
循環ポンプなどは、水の通る部分にまで泥が入っています。
110009
洗って。
113433
組み付け。
114833
耐電圧を計測。
このポンプは4,000MΩと優秀でした
115342
実際に通電して回転を確認。
115950
この間、3人がかりで2日の工程。
人件費、かかり過ぎ。

買い替えれば良いという意見もあるでしょうけれど、全てのモータやファンを買い替えると結構な金額になります。また、グループ補助金は資産登録されていない備品には適用できないとかで、実験装置のファンやモータを逐一資産登録している訳もなく、時間がかかっても自前で修理するしかないのが実情なのです。

もちろん、耐電圧が低すぎて使えない機器も多くあるので、それらは買い替えを進める予定です。

お正月は冷却ファン3台の修理とか、その辺ですかね。
104426
手前のシロッコファンは掃除しましたが使えず、廃棄して買替です。

やれやれ😥

引用元はこちらです。記事に関するご質問は引用元へお問い合わせください。http://blog.livedoor.jp/labforest/archives/31017694.html